今回の予防接種で初期免疫は完了です。頑張りましたね。大分強くなりました。

次の予防接種は定期のものは年長さんのMRワクチンです。

 

これで危険な病気はだいたい免疫がつきました。

肺炎球菌ワクチンの効果で重症の中耳炎や肺炎になりづらくなっています。

こどもの感染症はほとんどがウイルス感染で、抗生物質が必要なのは1割程度。ウイルスには抗生物質は効果ありません。

繰り返しますが、抗生物質を飲んで細菌感染を予防できることはほぼゼロです(念のための抗生物質、は無意味です)。今抗生物質が必要かどうかは丁寧な診察、検査でだいたい分かります。

抗生物質は腸内細菌に影響してアレルギー、喘息、肥満等を増やす可能性があるだけでなく、抗生物質の乱用により効かない細菌が増えてしまう懸念があるため、適正使用(必要な時のみ、適切なものを適切な期間使用する)は国の方針になっています。

抗生物質だけでなく、かぜ薬や漢方薬なども無駄に長期飲むことはよくありません。長期に飲むとしたら身体に合うものだけを選んでください。

 

1歳半健診の頃です。何か言われましたか?

ポイントは精神発達です。この時期になると発達障害の傾向が徐々に出始めてきます。

動き回ってしまう→落ち着いて物事を学べなくなる。事故の恐れもある。

ことばを話さない→コミュニケーションが遅れてしまう可能性がある。

ひとりを好む、同じことを繰り返す→社会になじむことができづらくなる。

全部、こどもの未来につながります。個性だからいい、そのうちよくなる、ではこどもにしてあげられることを逃しているかもしれません。何らかの傾向がある場合、今のうちに最大限こどものためにできることをしていくことは、親の使命であり、優しさであります。

こどもが困らないように何でも先回りして手伝ってあげる、ということではありません。こどもが練習して自分でできるように、工夫していくことが大事です。

上記のような兆候がみられても発達障害ではなく気質(性格)によるものかもしれません。1歳半ですとまだその区別は難しいです。ただ、発達障害であっても気質であっても早めに気にして対処することは有用ですし、こども自身が生きやすくなります。対処法の根幹は、こどもの目線、気持ちになって、接してあげることです。日常で忙しいためなかなか難しいですが、時間がある時には振り返ってみるといいですよ。少し遠くからこどもの姿を眺めると、違った姿が見えてきます。

 

気質(性格)面も気にしてあげましょう。物凄く活発であったり、のんびりであったり、生真面目だったり、興味津々だったり、引っ込み思案だったり。こどもにとって安心して生きていけること、そのためには親の共感が必須です。今は大丈夫と思いますが、年齢が上がるにつれ自己主張の陰に隠れた本音に気づきづらくなっていきます。

 

1歳半では視力検査は難しいですが、簡易視機能検査はできます。視力が0.2あれば日常生活に差し支えないといいます。色々なものをどんどん取り入れている時期です。弱視の割合は少ないですが、見つけてあげられればこどもにとって大きな救いになります。

 

スマホ、テレビはこどもに影響を与えます。発達や脳に影響するので2歳までは控える、その後は1日2時間までというルールがよいです。目への影響は分かっていません。

スマホで子守り、は時々見る光景です。母が疲れ切っていたり、他にどうしてもやることがあったりすれば仕方ないでしょう。スマホ子守りも常にでなければよいと思います。

スマホもご褒美の一つになれるし、どうしてもうまく伝わらないこともスマホでなら伝わることもあると思います。ルールを決めてうまく使うこと、そのためには大人もルールに沿ったスマホ使用をする必要があります。

 

今後こどもの将来を見据えてこどもに色々なことを教えていくことと思います。情報社会ですからよさそうなことは溢れています。いろいろ経験させてその中から選択させていく、というやり方もあります。ただ、これがよいはず、ではなく、この子にはこれがあっている、を見つけたいです。

一番大事なのは親と子が一緒に育つこと。親はこどものために、こどもは自分がしあわせになるために。親は程よい見本にならないといけませんよ。

 

 

ケン☆こどもクリニック

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