島田市版ネウボラが令和元年(平成31年)度よりはじまりました。妊娠、出産期から就学前までのすべてのこども、家庭に担当保健師がつき、切れ目のない支援をするという事業です。例えるなら、24時間マラソンでランナーに最初から最後まで伴走する坂本雄次さんのようなものでしょうか。ちなみに、日本テレビにCOIはありません。

ネウボラは、フィンランドで100年の歴史を持って成熟してきました。フィンランドでは保健師が家族を支援するという意識が根付いており、かつ両親も親であることに自信を持ち、プライドを持っております(おそらく)。虐待が減る、という効果に目が行きがちですが、国民幸福度が世界トップであるということのほうが大事です。こどものしあわせのために必須な社会システムといえるでしょう。

 

保健師って知ってますか?保健師は保健センターにいる看護師さんのようなもの、くらいのイメージかもしれません。いや、学校の保健室の先生というイメージかも。ウィキペディアによれば、『所定の専門教育を受け、地区活動や健康教育・保健指導などを通じて疾病の予防や健康増進など公衆衛生活動を行う地域看護の専門家。』とのことです。つまり、お医者さんのようなもので指導が役目です。(看護師さんのように、看護が役目ではありません。)お医者さん=町の父親、保健師=町の母親、のようなイメージでしょうか。身近に感じられるとよいですね。ちなみに、育児情報を得る情報源に関し、保健師から得る、と答える人はフィンランドでは85%、日本では8%。保健師とつながることは、しあわせになることなんです。(ここだけを強調すると○○すれば××病にならなくなる、となどいう論理の飛躍ともいえますが、その蓋然性は私はあると思います。)

 

日本の両親は、親になったから○○しなきゃ、とか、こどもをしあわせにしないと、とか思うでしょう。義務感、使命感が強いように思います。それは、大人になるまでに社会で学んできたことがらから自然と思ってしまうことです。

フィンランドではどうでしょうか?自分もやっと親になった、順番が回ってきた、親として今までならってきたことを実践しよう、分からなければネウボラや地域をみれば答えがあるよ、という感じなのだと思います。そこには『やらされている』感はなく、動物が自然に親になるように『自然と行っている』感があるのだと思います。

フィンランドは、エリートを作るより落ちこぼれをできるだけつくらないように、心がけていると言います。しあわせとは何か、フィンランドが一番しあわせ実現しているとすれば、ひとがひとらしくひととして共生すること、なのでしょう。資本主義競争社会と相反するようですが、私はそう思いません。日本にも導入できるシステムと思います。そのカギは、ひとの想いです。

 

 日本に数多く地域ネウボラが存在し、それぞれ積み重なって成熟してきています。しかしその多くは色々な人がそれぞれできる支援を行い、それを組み合わせて地域ネウボラとしているところが多いです。いわゆるソーシャルキャピタルです。それを一つにつなぐ強い軸が存在しません。

 また、ハイリスクアプローチ(問題のあるケースを中心に支援する)になっていることは、地域全体のしあわせ構築のためにはネックでした。全員に普遍的に支援することが、必要です。

 その軸を島田市版ネウボラは作りました。担当保健師です。信頼の軸です。フィンランドのように、問題のない(問題のあるなしを他人が判断するなんて本当はおかしい)家庭にも担当保健師を付け、それぞれの家庭に親とは何か、こどもとは何か、を知識ではなく、意識、体験、共感として支援します。担当保健師なんていらない、という意見も多いでしょう。でも、近所づきあいや親戚づきあいのように、面倒でも行っていると情が出てきます。情って、今の時代にはそぐわないかもしれませんが、ひととひととがしっかりつながってくると出てくるものです。相手のことを思いやる気持ちです。これって、とても大事と思います。ですので、面倒でも担当保健師と付き合っていただけると有難いです。よろしくお願いします。

 もう一つの軸はかかりつけ医です。こどもの発達、発育、情緒、心理面を科学的に評価することができます。信用の軸です。そのため、医師はきちんと評価し、伝える必要があります。私は信用をつくるため、日々勉強しながら汗をかいています。

 

 ネウボラのイメージ、何となく伝わったでしょうか?実践は保健センター等のお知らせ欄から確認お願いします。島田市版ネウボラは信頼、信用のおける専門家によれば、日本の最先端になれる、とのことです。自己満足ではありません。私もそう思います。なぜならそこには、保健師の強い想い、があるからです。間違いありません。

 皆様も島田市版ネウボラを是非、応援してください。妊娠して担当保健師がついたら、私が保健師を育ててあげよう、と思ってください。ひととひとは相互に教え、学び合うものです。その繰り返しの先には。。。みんなのしあわせ。。。が待っていると思います。

 

R1/10/22

☆ 島田市版ネウボラのこと ☆

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