6月12日
どんよりとした天気の日が多いです。梅雨のシーズンになりつつありますが、喘息のシーズンでもあります。喘息の方は風邪を引かぬよう、そして体調を崩さぬよう規則正しい生活を心がけましょう。
喘息は以前は発作性の病気と言われていました。ハウスダストやダニのような抗原を吸い込むとアレルギー反応が気管支で起こり気管支が細くなる、その結果喘息発作になる。そこで気管支を広げる吸入を行うともとに戻り呼吸が楽になるという可逆性を重視していました。その後気管支の慢性炎症であることがわかってきたため気管支を広げるくすりだけではだめだということになってきました。吸入ステロイド剤やロイコトリエン拮抗剤です。この2つの出現で喘息の管理がとても容易になりました。ただし慢性炎症なので継続することが必要です。
ただ、喘息も主に3つのタイプにわけられ、
A.小さいころに発症し3歳ころから軽快する
B.小学生高学年頃によくなる
C.大人までながびく
となります。Cはアレルギー性の要因が強く、Aは体格、肺や免疫系の未熟性の要因が強いと思っています。ですので幼稚園になっても喘息がなおらない患者さんはハウスダスト、ダニなどのアレルギー検査をする必要があるかもしれません。
Aは感染(かぜ)をきっかけにぜいぜいするのですが、本来アレルギー疾患に効果のあるロイコトリエン拮抗剤がよく効きます。食物アレルギーを持っていても徐々に食べられるようになるのと同じように、気管支の局所アレルギーが小さいときはおこってもだんだんおこらなくなるのでは?と思っています。
最近の流行のおさらい
1. 百日咳が何人か出ています。長引く咳、夜間にひどい咳は可能性があります。家族(成人)も咳が長引いている場合はさらに可能性が高くなります。三種混合をきちんと接種していてもかかるようです。ひどい咳がなくなったら登校(園)は可となります。
2. 扁桃炎は多く、プール熱、ヘルパンギーナはほとんどみられません。
3. 熱、頭痛が初期症状で熱が1〜3日続き軽い咳、鼻汁、下痢を伴う夏かぜが増加しています。
4. 溶連菌感染症が増加中です。
5. 熱が3〜5日、上がったり下がったりしたあとに咳が多くなるかぜは少し減っていますがまだみられます。原因はウイルスだけでなくマイコプラズマも混じっている印象です。
6. 手足口病は今は少なめです。
7. 嘔吐下痢症は局地的に流行しているようですが全体的には減少しています。アデノウイルスが主な原因と考えます。
8. みずぼうそうは少し減少、おたふくは再流行中です
9. イネ科の雑草が原因と思われるアレルギー性鼻炎、結膜炎がときどきみられます。