今日はとても寒く、東京では雪。床暖房もつけました。例年と違う気候のときにウイルスはどのような流行の変化をもたらすのか、興味のあるところです。

 先日島田市民病院の勉強会に赴き、病院のお医者さんからお話を伺う機会がありました。最近痙攣重積(けいれんが長く続くこと)が多いとのこと、その原因ははやっているウイルスの種類によるとのこと。いつもながら勉強になります。開業すると実際痙攣の現場に居合わせることは少なくなりましたが、最近熱性痙攣をおこした患者さんと遭遇することが出てきたのはそういった理由と思います。病院勤務の頃は同僚が多かったため情報収集にはことかかなかったのですが、開業してひとりになってしまうと新しい知識を仕入れる機会が減って時代遅れな治療法を継続してしまう可能性があります。十分気をつけていないと。

 3歳児健診の報告。34名で2時間弱、ひとりあたり3分の計算になります。ちょっとゆっくりかな、と思って担当保健師さんにうかがったら少し早めに、とのこと。でもその後もペースはあまり上がらなかった。すみません。

 でもこれが自分のペースのようです。なぜそう思うかと思うと、楽しく診療ができた、からです。普段の診療でも混んでいると要点のみで受診の期待にきちんとこたえられたか不安になります。マイペースでの診療をすると楽しいし、自分も満足できます。きっと患者さんも満足してくれると思っています。

 健診での医師の仕事は主に身体疾患をみることを割り当てられています。確かにそこに専門性があり、他の職種では判断を下すのは難しいと思います。しかし、3歳で新たな身体疾患が見つかることはほとんどありません。何か気になることがあればたいていは医療機関にかかっています。ですので正しい医師の仕事は、身体疾患がきちんとフォローアップされ、治療されているか、の確認といえます。

 そしてもっと大事なこと。1歳6ヶ月健診でも、3歳児健診でも同じですが、発達をみることがとても大事です。これは短時間では不可能なので保健師さんが一生懸命面接をするのですが、医師がいうのと保健師がいうのとでは言葉の重みが違います。ですので気づいたことはなるべくわかりやすい言葉で伝えていこうと思います。

3歳ころになるといわゆる発達障害と判断をしやすくなります。なぜかというと集団生活を始めるからです。コミュニケーション能力や社会性の能力がだんだんと見えてきます。社会性、というのは解りやすく言えば「空気をよむ」ということ。相手の気持ちがわかること。社会性は育てていけばしっかりと育ちます。空気がよめない、状態であるのはその能力が苦手、ということ。足が遅いとか、歌がうまくないとか、と一緒で本人の能力です。周りの助けもかりながらすこしずつのばしていきたいものです。

 

最近の流行のおさらい

1.       手足口病、扁桃炎などが多くなってきました。手足口病といっても手足に少ないタイプのようです。

2.       嘔吐下痢症もまだ少し見られます。ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスが混じっています。

3.       軽い咳、鼻水と熱が4−5日続くかぜがでてきています。

4.       みずぼうそうはあいかわらず小流行です。

5.       天候の不安定で喘息がでる患者さんがときどきみられます。

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4月17日