新型インフルエンザもだいぶ落ち着き、最近の小児医学の話題は予防接種です。別の「予防接種について」という項目にものせましたが、新しいワクチンが2つ発売されることと、そして日本脳炎ワクチンが積極的ではないにしろ、そろそろしはじめる方向になってきているからです。マスコミは今のところ取り上げてはいませんが、今年は「日本脳炎ワクチンが足りない」と報道されることになるのではないでしょうか?騒動がおきないとよいのですが。
 新しいワクチンは2つ、サーバリックスという子宮けいがんワクチンです。若いうちに接種しておくとがんに移行するHPVというウイルスの感染を防げるというものです。このワクチンをうつかどうか、思春期の女の子自身判断することは難しいと思います。ですので、親の意向で接種、ということになると思います。当クリニックでは扱う予定は今のところありません。
 もうひとつがプレベナーという肺炎球菌ワクチン。これは色々な肺炎球菌を予防するワクチンで、乳幼児には大事なワクチンと思います。ヒブとは違い、供給制限はありません。今のところ当クリニックでは予約は受け付けておりません。
 日本脳炎ワクチン、これは国の政策(旧ワクチンの副作用)で5年間ストップし、その間のこどもたちが宙にういてしまっています。今年度は供給量が足りたないため、公費の7歳半を超えてしまった子供さんたちに対する救済措置はなさそうです。ワクチン増産の目処がたってから、ということと思いますが、行政は混乱なくうまくやってくれるのでしょうか?今のところ3〜4歳にはなるべく接種するように、という方針のようですが、7歳半までのこどもさん、皆医療機関に押し寄せると思うにですが。。。

最近の流行のおさらい
1.溶連菌感染症が流行しています。特徴的な症状は、熱、のどの痛み、体の薄い発疹(かゆいときもかゆくないときもある)、舌が目に見えてぶつぶつしている、などです。園などでも流行を把握しているところも多いです。しっかりと治療する(抗性物質を内服する)必要がある病気です。
2.ノロウイルスなどの嘔吐下痢症 減少傾向の印象です。
3.RSウイルスなどのぜいぜいのかぜ RSウイルスは減少したようです。そのかわり、あまりぜいぜいしなかったり、熱がでなかったり、扁桃腺の炎症を伴うものなどいろいろになってきました。つまり、普通の「かぜ」といわれるものが多数はやっている印象です。
4.上記せき、熱のかぜが長引いて肺炎になってしまう患者さんが数名、今までにはなかった傾向です。熱が4日以上続く場合はしっかりとした抗生物質が必要と思います。
5.みずぼうそうは少し増えています。
6.おたふくかぜは少なめですがすこしみられます。
7.インフルエンザは見られません。国の報告でも、注意報レベルでもなくなりました。一時的なのかもしれませんが、収束と考えてよいと思っています。ちなみに、季節性はA型はなし、B型がごくわずか一部(和歌山県、兵庫県の報告)のみ、と国の報告があります。


 日本脳炎ワクチンについてアンケートをとらせてください。このアンケートは「センタク」というサイトを利用して作成しています。非公開にしていますので、このホームページ以外から入ることは難しいと思います。今年度日本脳炎ワクチン接種をどのように進めていくかの参考にしたいと思っております。予防接種→日本脳炎ワクチンの項も参考にしてアンケートに参加していただけるとありがたいです。宜しくお願いします。


日本脳炎ワクチン(お子さんが3歳〜7歳半)

日本脳炎ワクチン(お子さんが7歳半以上)
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2月13日