12月19日

 予防医学は大事、という観念は諸外国の方がすすんでおり、それが徐々に日本に入ってきています。ヒブワクチンもそのひとつで、インフルエンザ菌による髄膜炎の予防のために行います。ただ、ひとつきに3人分しかワクチンが供給されないのでなかなか狭き門です。希望者は、自費接種であるにもかかわらずかなり多くなっております。諸外国では定期接種(三種混合のように公費で行う)も多いようです。
 肺炎球菌ワクチンは新型インフルエンザとのからみで話題になりました。近いうちに小児用の肺炎球菌ワクチンも登場するようです。
 子宮頸がんを予防する、HPVワクチンもまもなくはじまります。これは、がんがウイルス感染を契機とする、という画期的なもので、予防ができるという意味で期待が持てると思います。ただ、どこで接種するか、というのが気になります。対象は中高生の女子、多感な時期でもあり本人の意思確認も必要であり、すんなり受け入れられるかはわかりません。当クリニックのカバーする年齢は小学校中学年までがほとんどですのでこのワクチンを扱う予定はありません。乳幼児に行うワクチンが多いので、そこまで回らない、ということも理由です。
 そのうちロタウイルスワクチンも出てくる可能性があり(以前開発したものは副作用があり広く実用化はされませんでした)もりだくさんです。
 来年は、新型インフルエンザワクチンも季節性ワクチンに入ってくるような話を聞いております。そうすると今年のように、同時接種、などというちょっとつらいことはなくなって嬉しいですね。

 今回の新型インフルエンザワクチンは、来るべき鳥インフルエンザの流行を防ぐために役立ったのでしょうか?同じ道を進むのであれば全く実用的ではなかったですね。諸外国で行ったように、国がきちんと先導して集団接種、そうしないとワクチン接種は遅々として進まないことは立証されました。死亡率が高くないので何とかなっておりますが、死亡率が高い鳥インフルエンザではぜひとも集団接種を、これは医療者のほとんどが思っていることと思いますが、お願いしたいものです。

 最近の流行のおさらいです。
1.インフルエンザは少し減った印象です。学級閉鎖のおかげかと思います。年末年始では初詣などで増加するのでしょう。学校が普通にはじまれば年明けに再流行は必至と思います。
2.みずぼうそう、おたふくかぜは依然として流行しています。園での感染がほとんどです。
3.胃腸炎が少し増加しています。まだ数はあまり多くありません。
4.夏かぜの類が結構みられます。アデノウイルスによると思われる咽頭炎、扁桃炎、それからヘルパンギーナもみられます。
5.咳の目立つかぜ、鼻かぜもまだまだみられます。

以上のようにいろいろなタイプの疾患がはやっています。体調管理に充分つとめる必要がリますね。

インフルエンザに関しては、島田市民病院の報告ではA型を新型と季節性に分ける検査にて今のところ新型のみのようです。しかし、B型も散発しておりますので季節性A型も少し混じっているはずです。ただほとんどが新型であることに異論はありません。

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